「芦別の家2019」は私の仕事に毎回登場する美しい白樺合板やフロアを生産してくれる生産者さんからのご依頼で、芦別市で最初の300mm断熱の家として設計を行った。元々白樺と言ってもその種類は多く、雑樺と呼ばれるものから目白樺、真樺と呼ばれる特に美しい木目や色合いを持つものまであるのだそうだ。クライアントさんに出会うまで白樺は1種類だけだと思っていた自分が恥ずかしい。その反面、白樺は広葉樹の中では生育が早く、それが植林された松林の障害となるので害木扱いとなり、さしたる利用法も考えられることなく伐採され、あろうことかその多くが薪やパルプ材になっていたのだそうだ。そこに目を付けた生産者が木材本来の価値を積層合板というかたちで製品化し、その美しい木目と高い強度が、当事務所お馴染みの階段材、枠材、手摺、見切り、家具に生まれ変わっている。まさに地材地消である。田舎の大きな敷地という事で、プランはオーソドックスなものとなっている。1階に主室の大半を配置し、2階は寝室のみというバランスが違い屋根に見られるような外観を作る。建物外観を正面から見て右半分が二階建て左半分が高い天井の平屋という構成。また基礎断熱による床下の室内化やパッシブ換気、薪ストーブによる工場廃材の再利用等を行っている。外装はびえいからまつ協同組合によるカラマツ外装である。
- 所在地
- 北海道芦別市
- 施工
- 株式会社 清水組 大工棟梁 政田竜也(政田工務店)
- 主要用途
- 専用住宅
- UA値
- 0.23W/㎡K
- 面積
- 44坪(143.26㎡)
- その他
- 北方型住宅2020同等、許容応力度計算による耐震等級1、フラット35SA金利仕様、C値:0.1cm2/㎡